4〜7万円台のグラボ選び
Arc B580・RTX 4060 Ti・RX 7600 XT・RTX 5060の「残酷な最適解」
RTX 50シリーズが出てきて、選択肢がまた増えた。 ただ5070以上は軒並み10万円超えで、現実的な予算で戦える帯じゃない。 今の4〜7万円台は前世代の値下がりと新世代の入り口が混在していて、 スペックシートの数字だけ見ていると、見落としやすい部分がある。
この価格帯の4枚を用途別に整理した。妥協点と罠も含めて正直に書く。
用途ごとの唯一の正解
| 用途 | 選択肢 | 理由 |
|---|---|---|
| FHDゲーム 絶対安定 | RTX 4060 Ti(8GB) | DLSS 3・NVENC・ドライバ安定性、総合力で一番無難 |
| FHD+MOD大量導入 | RX 7600 XT(16GB) | VRAM容量が物を言う場面。16GBで余裕が出る |
| AI生成・ローカルLLM | RTX 4060 Ti(8GB) | CUDA必須。AMD・Intelは環境構築が地獄になる(後述) |
| コスパ重視の上級者 | Arc B580(12GB) | ¥41,468で12GB。ただしトラブル覚悟が前提 |
| RTX 5060 | 今は見送り | GDDR7でも8GBのまま。同予算でRX 7600 XT 16GBが買える |
現在の最安値
※ 記事執筆時点の最安値。変動します。
AI用途で「VRAM量だけ」を見ると痛い目を見る
「VRAMが多いからRX 7600 XTやArc B580でAIをやろう」という発想は理解できる。 ただ、現状のAI環境(Stable Diffusion・ローカルLLM等)はNVIDIAのCUDAを前提に整備されていることが多い。
AMDのROCmはPyTorchが公式サポートするほどには成熟してきているが、 ツールやモデルによって対応状況がまちまちで、NVIDIA環境に比べると 「動かないケースを自分で調べる」場面がどうしても増える。 IntelのOpenVINOはさらにAI用途での対応範囲が限られる。
AI用途で迷ったらNVIDIAを選んでおく方が無難
RTX 4060 Ti は 8GB でSDXLが厳しい場面もある。 予算を伸ばせるなら 16GB 版(¥74,545)が AI 用途の現実的な選択肢になる。
RX 7600 XTの16GBで「WQHD」は苦しい
RX 7600 XTは16GBのVRAMを持つが、メモリバス幅が128-bitしかない。 巨大な倉庫(16GB)を持っているのに、出入り口のドア(128-bit)が極端に狭い状態だ。
FHDなら問題ないが、WQHDで重いゲームを動かすと帯域不足が出やすい。 「16GBあるからWQHD向け」という評価は正確ではなく、重めのFHD+高設定MOD勢向けとして割り切るのが正しい。
Arc B580は「上級者のロマン枠」
¥41,000台でVRAM 12GBというスペックは確かに異常なコスパだ。 しかしDirectX 11の旧作ゲームでの不具合など、ドライバの未成熟さは依然として残る。
自作PC初心者がコスパだけで選ぶと、思わぬところで詰まる可能性がある。 トラブルが出たとき英語のフォーラムを自分で調べられる人なら、 十分に現実的な選択肢だと思う。
RTX 5060は見送れ
最新アーキテクチャとGDDR7になった点は評価できる。 ただVRAM 8GBのままで約¥60,000という価格は、現状の相場では理由として弱い。 同じ予算でRX 7600 XT 16GBが買えることを考えると、 あえて今これを選ぶ理由は見つけにくい。